トレーニング

【VDOTとは?】効果的な利用の仕方も一緒に解説します!

2021年7月2日

よしラン
VDOT→ブイドットと読みます。 『走力の指標』だと思ってください!

VDOTを使うと何か良いか?

それは

自分の現在地(走力レベル)がわかる
 (現状のVDOTからフルマラソンの完走予想タイムも割り出せる)

目標に対してどのくらいのスピードで練習をすればよいかわかる

走力の指標としてタイムよりわかりやすく、
 練習ペースも指定してくれるので追いかけやすい

です。個人的には使わない手はない!って感じです。

1.概要

正式には「V-dot-O2max」。ランニング指導者であるジャック・ダニエルズさんが提唱しました。

この本で網羅できます。

何度も言いますが、

VDOT=走力の指標

と認識していれば難しい理解はなくて良いです。

一覧でいうと下記です。自分の出したことがあるタイムを照らし合わせVDOTを算出してください。

ハーフとフルでタイムを持っていてVDOTが異なる場合は高い値を採用します。

VDOT 1500m 5000m 10km 15km ハーフ フル VDOT
30 8'30 30'40 63'46 98'14 2:21'04 4:49'17 30
31 8'15 29'51 62'03 95'36 2:17'21 4:41'57 31
32 8'02 29'05 60'26 93'07 2:13'49 4:34'59 32
33 7'49 28'21 58'54 90'45 2:10'27 4:28'22 33
34 7'37 27'39 57'26 88'30 2:07'16 4:22'03 34
35 7'25 27'00 56'03 86'22 2:04'13 4:16'03 35
36 7'14 26'22 54'44 84'20 2:01'19 4:10'19 36
37 7'04 25'46 53'29 82'24 1:58'34 4:04'50 37
38 6'54 25'12 52'17 80'33 1:55'55 3:59'35 38
39 6'44 24'39 51'09 78'47 1:53'24 3:54'34 39
40 6'35 24'08 50'03 77'06 1:50'59 3:49'45 40
41 6'27 23'38 49'01 75'29 1:48'40 3:45'09 41
42 6'19 23'09 48'01 73'56 1:46'27 3:40'43 42
43 6'11 22'41 47'04 72'27 1:44'20 3:36'28 43
44 6'03 22'15 46'09 71'02 1:42'17 3:32'23 44
45 5'56 21'50 45'16 69'40 1:40'20 3:28'26 45
46 5'49 21'25 44'25 68'22 1:38'27 3:24'39 46
47 5'42 21'02 43'36 67'06 1:36'38 3:21'00 47
48 5'36 20'39 42'50 65'53 1:34'53 3:17'29 48
49 5'30 20'18 42'04 64'44 1:33'12 3:14'06 49
50 5'24 19'57 41'21 63'36 1:31'35 3:10'49 50
51 5'18 19'36 40'39 62'31 1:30'02 3:07'39 51
52 5'13 19'17 39'59 61'29 1:28'31 3:04'36 52
53 5'07 18'58 39'20 60'28 1:27'04 3:01'39 53
54 5'02 18'40 38'42 59'30 1:25'40 2:58'47 54
55 4'57 18'22 38'06 58'33 1:24'18 2:56'01 55
56 4'53 18'05 37'31 57'39 1:23'00 2:53'20 56
57 4'48 17'49 36'57 56'46 1:21'43 2:50'45 57
58 4'44 17'33 36'24 55'55 1:20'30 2:48'14 58
59 4'39 17'17 35'52 55'06 1:19'18 2:45'47 59
60 4'35 17'03 35'22 54'18 1:18'09 2:43'25 60
61 4'31 16'48 34'52 53'32 1:17'02 2:41'08 61
62 4'27 16'34 34'23 52'47 1:15'57 2:38'54 62
63 4'24 16'20 33'55 52'03 1:14'54 2:36'44 63
64 4'20 16'07 33'28 51'21 1:13'53 2:34'38 64
65 4'16 15'54 33'01 50'40 1:12'53 2:32'35 65
66 4'13 15'42 32'35 50'00 1:11'56 2:30'36 66
67 4'10 15'29 32'11 49'22 1:11'00 2:28'40 67
68 4'06 15'18 31'46 48'44 1:10'05 2:26'47 68
69 4'03 15'06 31'23 48'08 1:09'12 2:24'57 69
70 4'00 14'55 31'00 47'32 1:08'21 2:23'10 70

ただこれに毎回照らし合わせていたら面倒くさいので、アプリをDLすることを勧めます(無料)。

【App Store】

【Google Play】

またアプリだと0.1単位でVDOT算出されるのでより精度の高い値が出ます。
(私はいつも自分のVDOTとにらめっこです)

加えてアプリだと気温の補正ができます。夏と冬に同ペースで走ったときの強度が同じわけはありません。

アプリは気温を入れると勝手に補正してくれるのでますます使わない手はありません。

2.トレーニングの強度を決める

自分のVDOTが分かったら次表をご覧ください。EasyやMarathonなどはペースのことで、それぞれに異なる効果が期待できるペースです(後述)。

ちなみにアプリがあれば自分のVDOTに応じて、一発ですべてのペースが出ますのでDLしない手はありません(しつこい)。

VDOT Easy Marathon Threshold Interval Repetition VDOT
30 7'27-8'14 6'51 6'24 - 2'16 30
31 7'16-8'02 6'41 614' - 2'12 31
32 7'05-7'52 6'31 6'05 - 2'08 32
33 6'55-7'41 6'21 5'56 - 2'05 33
34 6'45-7'31 6'13 5'48 - 2'02 34
35 6'36-7'21 6'04 5'40 - 1'59 35
36 6'27-7'11 5'56 5'33 5'07 1'55 36
37 6'19-7'02 5'48 5'25 5'00 1'53 37
38 6'11-6'54 5'41 5'19 4'54 1'50 38
39 6'03-6'46 5'33 5'12 4'48 1'48 39
40 5'56-6'38 5'27 5'06 4'42 1'46 40
41 5'49-6'31 5'20 5'00 4'36 1'44 41
42 5'42-6'23 5'14 4'54 4'31 1'42 42
43 5'35-6'16 5'08 4'49 4'26 1'40 43
44 5'29-6'10 5'02 4'43 4'21 98 44
45 5'23-6'03 4'56 4'38 4'16 96 45
46 5'17-5'57 4'51 4'33 4'12 94 46
47 5'12-5'51 4'46 4'29 4'07 92 47
48 5'07-5'45 4'41 4'24 4'03 90 48
49 5'01-5'40 4'36 4'20 3'59 89 49
50 4'56-5'34 4'31 4'15 3'55 87 50
51 4'52-5'29 4'27 4'11 3'51 86 51
52 4'47-5'24 4'22 4'07 3'48 85 52
53 4'43-5'19 4'18 4'04 3'44 84 53
54 4'38-5'14 4'14 4'00 3'41 82 54
55 4'34-5'10 4'10 3'56 3'37 81 55
56 4'30-5'05 4'06 3'53 3'34 80 56
57 4'26-5'01 4'03 3'50 3'31 79 57
58 4'22-4'57 3'59 3'45 3'28 77 58
59 4'19-4'53 3'55 3'43 3'25 76 59
60 4'15-4'49 3'52 3'40 3'23 75 60
61 4'11-4'45 3'49 3'37 3'20 74 61
62 4'08-4'41 3'46 3'34 3'17 73 62
63 4'05-4'38 3'43 3'32 3'15 72 63
64 4'02-4'34 3'40 3'29 3'12 71 64
65 3'59-4'31 3'37 3'26 3'10 70 65
66 3'56-4'28 3'34 3'24 3'08 69 66
67 3'53-4'24 3'31 3'21 3'05 68 67
68 3'50-4'21 3'28 3'19 3'03 67 68
69 3'47-4'18 3'26 3'16 3'01 66 69
70 3'44-4'15 3'23 3'14 2'59 65 70

3.練習内容

Easy:Eペース(イージーペース)

Marathon:Mペース(マラソンペース)

Threshold:Tペース(閾値ペース)

Interval:Iペース(インターバルペース)

Repetition:Rペース(レペティションペース)

下にいくに連れ速くなりますが、それぞれ違う効果が期待出来ます。

出典はすべてダニエルズさんです。

Eペース
E走の効果は、ケガに対する耐性をつくる、心筋を強化する、血液の酸素運搬能を改善する、筋繊維をランニングに有利な性質に導く、ということである

 ⇒繋ぎのジョグやロングにはこのペースを勧めます。

Mペース
M走の目的は、実際のレースペースに慣れること、そしてそのペースで給水をとる練習をすることである。したがってMランニングの主な効果は、メンタル的なもの、つまり設定したペースで走る自信を高めるものと言ってもいい。

 ⇒Mペースはミドル走に使うことが多いです。レース前にMペースで30km走は必要か?議論はあるんですがeA式信者としては必要なし、ですね。

【eA式とは?】30kmの壁を乗り越えるマラソントレーニング方法

続きを見る

Tペース
T走は、長距離種目の選手が行うトレーニングの中でも、きわめて効果の高い練習である。閾値ペースでのトレーニングは、充実した練習でありながらオーバートレーニングを防ぐこともできる、継続しやすい練習である。

 ⇒ダニエルズさんのおっしゃる通りなんですが、個人的にも一番使える練習ペースもだと感じます。指標にもしやすい。これは別記事にします!

【閾値走とは?】最強の時短トレーニング!20分でマラソンが速くなる!

続きを見る

Iペース
O2maxを最大限に向上させることが、Iトレーニング、特にIトレーニングの最大のメリットである。

 ⇒インターバルはやり過ぎると怪我にも繋がるためペースの指標があることはありがたいですね。1km×5、2km×3をミドル走の替わりに使うことも多いです。

Rペース
R走の主な目的は、無酸素性作業能、スピード、ランニングの経済性を高めることにある。特に大事なのは十分に身体を回復させ、正しい走動作で速く走ることだ。スピードをあげたときにもがき苦しむのは避けたい。フォームが崩れてしまうからだ。

 ⇒R走は5つのなかではあまり使いません。少なくともサブ3までは不要だと思います。私に実績がないことは理由ですが応用は効くペースとも思います。次のステップで極めたい。

4.VDOTのオススメの使い方

この部分はオリジナルです。

VDOTに関する記事はたくさんありますが、下記は間違った使い方と表現されています。

が私はこれでうまくいったので紹介します。

VDOTは本来、

自分のベストタイムからの現状のVDOT値を把握し、目的に応じてVDOTに応じたペースを参考に練習する

という使い方をします。

が、私は逆に使います。つまり、

目標タイムのVDOTを定めその値に向けて練習強度を高める

というものです。

例えばサブ3を目指していたら上の表でいう53.5(周辺)がターゲットVDOTとなり→現状の走力を勘案しません

VDOT 1500m 5000m 10km 15km ハーフ フル VDOT
53 5'07 18'58 39'20 60'28 1:27'04 3:01'39 53
54 5'02 18'40 38'42 59'30 1:25'40 2:58'47 54

53.5を目指して練習のペースを設定するのです。

VDOT Easy Marathon Threshold Interval Repetition VDOT
53 4'43-5'19 4'18 4'04 3'44 84 53
54 4'38-5'14 4'14 4'00 3'41 82 54

閾値(Tペース)走20分間のコスパが最強なので(下記事参照)例えをTペースで紹介します。

この例では週1のポイント練をTペースの53.5=4分2秒で走り抜けることを目標とします。

が、現状のVDOTが例えば50であればいきなり20分間を4'02で走ることは危ないので、まずVDOT50のTペースである4'15で20分間走を行い、3~4回(週1目安)クリア出来たら(できれば最終回は余裕をもって)VDOTを0.5から1あげます。

VDOT51ならTペースは4'11なので次は4'11で20分間走れるよう頑張る、というイメージですね。

これがVDOT53.5に達したとき…そうです。

あなたはサブ3のポテンシャルを手にします。これマジです。

Tペース閾値走のみの練習でフルサブ3レベルにいくことは難しいですが、実体験ではそれに近しい走力を手に入れることができます。
(フルでいうとどうしてもロングの練習は必要になります)

これが私がVDOTが最強だと思う理由です。

VDOTを指標にしておくとレベルアップ感が分かりやすいんですよね。
(マラソンタイム自体を指標してしまうと、練習ではそう何度も走れないので成長が分かりづらいです)

VDOTを指標に練習をすることは間違いなく走力アップのカギになります。

【閾値走とは?】最強の時短トレーニング!20分でマラソンが速くなる!

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5.まとめ

ということで走力アップを目指すならVDOTのインストールはマストです。

無理のない範囲、かつ成長が期待できるレベルで練習が詰める指標でありつつ、目標から逆算してどんな練習を詰めば良いか教えてれる指標でもあります。

自身のランニングに取り入れて目標達成を目指してください!

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  • この記事を書いた人

よしラン

1984年生まれ/サラリーマン/市民ランナー/陸上未経験、ランニング歴9年/趣味が高じて競技志向/フルマラソン2時間29分22秒(2020年勝田全国マラソン)/恐妻家/娘ふたり/主戦場多摩川

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